転院

友人の経営する精神科病院に入院した当日は、点滴を倒したり一悶着あったと聞きましたが、その後は落ち着いたと聞きました。

しかし、元の総合病院精神科に転院前日、また精神不安定になったとのこと。本人は一度帰宅できると思っていたらしいですが、そのまま再入院と聞いて気持ちが乱れたようです。

母、長女と一緒に僕が迎えに行くと、憔悴した様子の妻が出てきました。

覇気がなくボソボソと話す様子は中森明菜さんのようです。

精神科病棟は、患者が自由に出入りできないように鍵がかけられてることに加えて、コロナ感染予防のため、最初の三日間は何もない独房のような部屋に入らなければいけナイトのこと。

妻にとっては辛いでしょうが、この精神不安定が続く方が可哀想ですので、心を鬼にして医療保護入院させることにしました。

自宅へ帰ってしまうと、本人も再び入院したくないと言い出すでしょうし、僕自身の心も折れそうになるでしょうから、そのまま総合病院へ向かい、入院手続きをしました。

 

病棟の主治医先生は、外来とは違う若い女性の先生でした。ここでまた妻の症状説明。

入院予定期間は三ヶ月とのことでした。しかし、予定なので、もっと短くなるかもとのこと。

病室にヒモ状のもの(スマートフォンの充電ケーブルなど)、尖ったものなどの持ち込みはできないので、絵を描いたりするにしても、クレヨンしか使えず、もっぱら本を読んだりするしかありませんので、退屈するだろうなと思いました。

スマートフォンは使うことが許されてますが、充電はナースセンターでお願いすることになるそうです。

おまけにコロナ禍のため、家族が病棟に入ることも許されないので、入院期間中は一切の面会ができません。

入院期間中、妻とはLINEでやりとりしましたが、彼女からのメッセージは、明らかに普通ではない感じがしました。表現しづらいのですが、通常なら絵文字を入れたり、文章から元気さが読んで取れるのですが、この頃のメッセージは「ありがとう」「わかった」など単語でしか返ってこないのです。

そして、一ヶ月が過ぎようとしていました。

 

主治医の先生から、そろそろ薬の調整もできてるので、医療保護入院から任意入院に切り替えましょうか? という話がありました。

医療保護入院は本人の意思ではなく、家族の希望による入院で、任意入院は本人の意思での入院ということです。

迷ったのは、まだ完全に治っていないのに任意入院に切り替えて、本人が退院したいと言えば、法律上は退院させないといけなくなるということでした。

また入院前に状態になった時に、家族では手に負えず、再入院させようと思ってもベッドが空いていないという事態になったら、それこそ仕事どころではありません。

しかしながら、鍵がかけられた病棟に閉じ込めておくのも可哀想であります。

本来であれば、治療の一環で外泊として数日帰宅させて経過を見るということも行われるらしいのですが、それもコロナ禍でできないらしいです。

結局、本人が治療を頑張ってくれると信じて、任意入院に切り替え、1週間後に退院させる段取りにしました。

幸いにも本人もそれを理解して、あと1週間入院を続けて治療に専念してくれるとのこと。

 

そして1週間後、妻を迎えに行きました。

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