シリコンインプラントによる乳房再建トラップ

友人の経験によるアドヴァイスである、シリコンインプラントによる乳房再建を妻に勧めようと心に決めて大阪へ戻った僕は、シリコンによる再建について記述のあるサイトを検索しまくった結果、驚くべき事実を知ることになるのです。

シリコンインプラントによる乳房再建手術が健康保険の適応になったのは2013年。それまでは自己負担で100万円くらいかかる手術だったようなので、安く手術が受けれるようになり、ありがたいありがたいと思っていたのですが、検索を続けていくと、新たな選択を迫られる記事を目にしました。

健康保険で使用できるシリコンは、アラガン社製のテクスチャードタイプ(表面がザラザラしてる)シリコンインプラントなのですが、それによる合併症としてリンパ腫が生じる報告が出てきたため、2019年7月、日本でも使用停止することになったらしのです。しかし、健康保険で承認されてるブレストインプラントは、そのアラガン社製のもののみ。

つまり、シリコンインプラントによる乳房再建が保険治療でできなくなったのです。

急遽、厚生労働省はアメリカのシエントラ社のシリコンインプラントを2020年8月に薬事承認し、同年10月から保険適用となりました。

妻の手術は11月末でしたので、ギリギリ間に合うわけです。

しかし、新たに保険適用になったシエントラ社製のシリコンの形状は、表面がツルツルタイプのラウンド型(丸いやつ)で、ツルツルタイプはザラザラタイプに比べて、位置がずれてきたりする可能性があるらしい・・・それに、シリコンは10年後くらいに被膜拘縮が起こって除去しなければならない可能性がある・・・

それに加えて、全摘手術と同時再建を予定してたのですが、乳房切除したときにセンチネルリンパ節(癌細胞が最初に転移するリンパ節)生検をして、転移が認められた場合、放射線治療が必要になってくるらしいのです。その時にシリコンが入ってると良くないらしいので、シリコンは使えないから、その場で広背筋皮弁に変更・・・ということは、保険治療では認められない。

そしたら、同時再建ではなく、摘出手術とシリコンによる再建手術を2回に分けてすべきなのか・・・

いや、乳がん体験者の人の声として、やはりぺたんこになった胸を自分で見た時のショックは相当なものらしいし・・・

そもそも、辛い手術を何回もさせたくないと思って、同時再建を考えてたのだし・・・

最終的に妻と出した結論は、1回の手術で済む、メンテナンスフリーというメリットの方を選択し、シリコンインプラントではなく、広背筋皮弁による同時再建ということになりました。

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